アニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」の感想(1〜11話)

コードギアス 反逆のルルーシュ 1 [DVD]

コードギアス 反逆のルルーシュ 1 [DVD]


ルル―シュはデスノートの夜神ライトに似てますね。
スザクはLというよりお父さんか松田ですか(デスノートでいうなら)


デスノートに描かれた現代社会は非常に冷めたものであり、
その主人公は、単に予備校の模試の成績がトップである日本の高校生だったが
(だからこそデスノート第二部で世界を巻き込むことになった時はピンと来なかった。
あの話は日本で終るべきだったと思う)
コードギアスは国家やナショナリズムなどが絡んでいて面白い。


デスノートの能力が「顔を知った相手の名前をノートに書き込み(操った挙句)殺す」能力なのに対し、
ルル―シュのギアスの力は「自分と目が合った相手に対し、
一度だけ自分の命令に従わせることができる」能力だ。
デスノートにおける夜神ライトの目的が「悪人を殺すこと、最終的には無能な人間も殺すこと」で
「よりよき新世界を作り上げ、自らが神となる」というファシズムに近い思想で
「個人―世界」というつながりだったのに対し、
コードギアスの主人公ルル―シュの目的は
「テロ団体の支援・自ら軍(小隊)を作り、国家を滅ぼす、あるいは国家間の関係を変えていくことによって、
世界を変えていく」という「個人―(学校・テロ集団などの団体)―国家―世界」という
現実の社会的つながりを感じられるものとなっている。

 
ルル―シュは、ギアスの力と、高い戦略・指揮能力を持っているが、
仮面をかぶって素顔を隠している限り、真の仲間をつくることができず、いつまでも孤独が付きまとう。
対するスザクは英雄的な行動によって、周りの評価を変えていき、これから多くの協力者に恵まれそうだ。


ルル―シュの性格は、人を駒としてみている点、目的の為には手段を選ばない点では、夜神ライトに似ているが、
この作品世界では差別される存在である日本人のスザクを「友達」とみなしているので、
自分の行為によって結果的に父親を殺してもなんとも思わなかったライトよりは血が通っている感じ。


ライトは最後まで自分のやった行為について後悔することはなかった。
犯罪者や、自分が駒として利用し殺した人間に対しても同情することはなかった。
彼は悪を憎む感情を抱いているというより、犯罪者は彼にとって汚物だから排除していると言う感じだった。
ルル―シュの末路も恐らくライトと同じ孤独死だと思うが、彼の場合色々噛み締めながら死んでいくんじゃなかろうか


コードギアスの設定の一部はデスノートの影響を受けているが、
ファンがデスノートに対して抱いていた(少なくとも私は抱いていた)
「ライトは自分を友達と呼んだLを殺すときも、父親を結果的に殺した時も、
もう少し思い悩むべきなんじゃないのか」という期待にこたえてくれると思うので、そういう意味でも面白いかも。