映画「パプリカ」の感想―暫定版―


筒井康隆の作品はかなり好きで昔はよく読んでました。
今も機会があれば読みます。 
筒井康隆の作品を映像化したものは大抵原作よりまるで面白くないんですが
富豪刑事とか。映像・漫画化したもの全部チェックしたわけではないが)
これは間違いなく成功したといえる。筒井康隆の作品はアニメに向いてるのかもしれないと思いました。
時をかける少女のアニメも見たかったです。


 女性が主人公でしっくり来る作品「これは女にしか出来ない」と感じる作品はあまりないんです。
ぱっと思いつくのは「攻殻機動隊」の草薙素子とかかな。
でもあのサイボーグの中身が何なのかわからないという解釈も成り立つし。
 以前大学のレポートで「エバー・アフター」について書かされたんですが
ああいうジェンダーものはやはり無理があるんですね。
やっぱり生物学的なものは絶対あって女は力じゃ男には敵わないし、
大体当時の身分社会は相当厳格なものであったはずだから、
王族が農民の娘と結婚なんてありえないんですよね。
だから「この作品は史実を正確に参考にしておらず、
リアリティがないから、現実に訴えかける力も乏しいのだ」といわれても仕方が無い。
どうも物語の中では女性主人公が男性主人公と同じような方法でヒーロ−になるのは無理がある気がする。
うそ臭いと感じる。男性とは違うやり方で、かつ抑圧されず自由である女性主人公のあり方とは何なのか?
と言う疑問が最近あったんですね。



 パプリカは女性ですが、もし夢探偵が男性だったら、
フロイトの失敗(フロイトは当初は女性患者の声に耳を傾けていたが、
当時のブルジョア階級のあまりの近親相姦の多さを信じることが出来ず、
彼女達が嘘をついていると思うようになり、
最後は「彼女達が父親を誘惑している、抱かれたがっている」とした)
を思い出させてうんざりしたかもしれません。

フロイト精神分析は当時のヨーロッパの理性中心主義を震撼させ、
第一次世界大戦後のシュルレアリスムラカン精神分析につながり、科学・進歩主義を批判しました。
基本的に戦争は男が起こすもんなので、そういったものを否定する存在として、
女主人公っていうのは立ち上がってくるんじゃないのかな。


まあ筒井康隆って、皆さんご存知のとおり差別用語が多い作家なんで、
パプリカ自体も、原作では患者と寝たりしてるんで、必ずしも正しいとはいえないんですが。
前置きだけで終ってしまいましたが、そのうち書き足してもっと内容に触れたいです
(肝心の内容にあまり触れてないですね!)


原作を読んだのは中高生のときで5年以上前なんで、
原作についてはうろなんですが(でも面白かったですよ)
原作と今回のアニメ版の比較もそのうち機会があればやりたいです。